【あれは就活の時だった】”マーケティングとは?” を理解する

大学時代にマーケティングと出会い、これを仕事とするべく就職活動を続ける中で、広告代理店の方から「これがマーケティングだ!」と感じる具体例のお話を伺いました。中小企業や個人事業主の皆様にも必ず役に立つ視点だと思いますので、最後までお読みいただければ幸いです。


結論として「私の考えるマーケティングの定義」とは、「価値あるすべてのものが、正しく輝くための戦略」です。なぜ、そのように考えるのか?お伝えしていきたいと思います。

【このように考える理由とは?】誰もが知る “あの商品” の物語

それは大学時代のOB訪問でのお話…

筆者は大学3年生の頃、超大手の某広告代理店の方々にいわゆる「OB訪問」をしていました。


ここで、あるマーケティング事例を教えてもらう中で、マーケティングが「価値あるすべてのものが、正しく輝くための戦略」であると強く感じたのです。

大学時代に「マーケティング」に出会い、これを自身の仕事としたいと考えるようになった筆者は、その実現のために大手広告代理店への就職を目指していました。

電車通学時間を利用して数十冊の「マーケティング」に関する書籍を読み込んでいたことをはじめとして、自分が「マーケティング」をどれだけ勉強をしてきたかを、当時、広告代理店に勤務されていた筆者と同じ大学出身のOBの方々に「自己PR」していきました。

OB訪問を通じた採用枠があったためですが、なかなか思うように「次」に進めることができませんでした。

しかし、その活動の中で大変勉強になるお話を伺うことができました。それは「ウイダーinゼリー」のマーケティングのお話でした。

 以下は、いまから25年ほど前の1990年代後半のお話であり、当時、超大手広告代理店の若手社員として活躍されていた方から口頭で伺ったお話であるため、必ずしもすべてが真実であるかどうかは分かりません。


その前提でご覧いただければ幸いです。

【具体例】価値あるものが正しく輝いた、マーケティング事例

「ウイダーinゼリー」は当初 売れなかった、らしい

2024年の現在もなお根強い人気を誇る森永製菓の「ウイダーinゼリー」(※ 現在のブランド名は「inゼリー」)


1994年に発売開始されたそうで、筆者も大学時代から現在に至るまで大好きな商品の1つです。

しかし、1999年頃に進めていたOB訪問でお会いした某大手広告代理店の方からは「当初、それほど売れなかった」というお話を伺いました。

「ウイダーinゼリー」は、その名の通りゼリー飲料で、簡単に栄養補給ができる優れもの。


発売当初、大塚製薬の超ロングセラー商品「ポカリスエット」のように、『健康飲料』の位置づけとして販売したものの、思ったように売上が伸びずに苦戦していたそうです。

定義を見直し、再出発

そこで、商品のコンセプトを徹底的に見直し、「10秒でとれる朝ごはん」として再定義


これに伴い、以下のようにいわゆるマーケティングの4P戦略を再構築したそうです。

主要ターゲット: 「10秒でとれる」ことに高いニーズを持つ忙しいビジネスマンや学生など

プロダクト戦略: 健康飲料というよりは「朝ごはん」

チャネル戦略 : ターゲットがすぐに手に取れるよう、メインとなる売り場をコンビニや駅のキオスクの店頭へ

プロモーション戦略: 当時人気絶大の若手男性タレントを起用、「10秒チャージ」を訴求したコマーシャル



結果は大成功!

以上のような再定義を行ったところ、「ウイダーinゼリー」は 爆発的な売上増を実現したそうです。

もちろん、そのための投資やコストも相当なものだったと推測されますが、これを含めて振り返ってみても、結果としては「大成功」だったと言えるでしょう。

 

【結論】マーケティングにより、価値あるすべての事業や商品、個人が正しく輝くことができる

この話は筆者にとってとても勇気づけられるものでした。

この例では、基本的に「売り物」そのものは大きく変わっていないはずです。


しかし、その「売り物」が置かれている環境や、「売り物」そのものの価値を徹底的に見つめ「戦略」を見直すことで、その価値が光り輝き、正しく社会に届き渡ったわけです。


企業・顧客・社会の多くの人々が恩恵を受けることとなりました。

当時、就職活動がうまく進まず、くすぶっていた筆者にとっては、おおげさでもなくその後の生き方を変える大きなきっかけとなりました。


こんな自分にも価値があるはず、その打ち出す先、打ち出し方が正しくなかったのだ、と。

世の中の多くの「商品」、ひいては社会の1人1人すべては、きっと真剣に考え努力し、その価値を発揮したい存在なのだと思います。


その価値が不幸にも埋もれてしまうのか、それとも正しく最大限、社会に届けられるのかーー。

誰もが後者でありたいと願うでしょう。


日々、奮闘する中小企業の経営者や従業員、個人事業主の皆様、そこから生まれる製品やサービスも、価値ある限り最大限、正しく輝きたいものです。


そして、それを実現するのが「マーケティング」なのだと筆者は考えています。

私の考えるマーケティングの定義

マーケティングとは、「価値あるすべてのものが、正しく輝くための戦略」である。