【楽して獲得?】Webサイトで新規顧客を見つけるための基礎知識

Webサイトの大きな役割は、新規の見込み顧客を獲得することです。この役割を果たすために忘れてはいけない基本的な考え方や基礎知識をご紹介します。


新規顧客の獲得は簡単ではないですよね?何とか少しでも楽して獲得できないものか…と考えてしまうのが人間ですね。

結論として、【楽して】できるかは分かりませんが、基本的な考え方は存在します。それは、Webサイトを通じた新規の見込み顧客獲得であり、これは「打席数」×「打率」に分解して考えることが重要です。

Webサイトにより新規顧客の獲得を考えるべき理由

理由①:Webサイトは24時間・365日・全世界で稼働する働き者

新規顧客の獲得のWebサイトが有効である1つ目の理由は、その稼働率の高さです。


言うまでもなく、Webサイトはいつでも・どこでも世界に向かって開けています(通信やサーバー障害などの場合を除き…)。


24時間・365日、新規顧客開拓の営業活動を進めることはできませんし、世界中を飛び回ることは簡単ではありません。


ところが、Webサイトはこの時間と空間の限界を突破することかできます。たくさん働いてもらいましょう!

理由②:新規顧客は「見えない顧客」

理由の1つ目は当たり前ですかね。


では2つ目はいかがでしょうか?


新規顧客開拓が難しい要因の1つは、顧客(正確には顧客になる手前ですが)自身がニーズに気づいていない、という点があります。


ニーズに気づいていて解決策が分かっていれば、自社であれ他社であれ、既に誰かに解決を依頼(=製品やサービスを購入・利用)しているはずですね。


ニーズに気づいているつもりでも、その真因や本質的な悩みが分かっていないケースもよくあります。

超・有名なセオドア・レビットの「マーケティング・マイオピア」で挙げられる例ですが、ドリルを買いに来た客の、本当のニーズは「ドリルが欲しい」のではなく、「(それによって得られる)穴が欲しい」のです。


これを、顧客自身が気づいていないケースもあります。


「え、穴を開けるのにこんな方法もあるの?」とか、「そもそも、穴を開けなくても解決したの?」といった場合です。



早く言ってよ~、本当のニーズはそれだったよ~というケースですね。


こういったニーズは「潜在的」であり、Webサイトでググっているうちに気づくことがあります。もっと言うと、こういったニーズをとらえる企業・事業者は、それに気づかせる情報発信をWebサイト(オウンドメディア)を通じて積極的に進めています。


このように、Webサイトを通じて潜在顧客に役立つ情報発信を行うことにより、新規顧客の獲得が期待できます



理由③:迷ったら受付に行ってみよう → SNSとの違いです

最近では、SNS(Twitter、Instagram、Facebook、TikTokなど)を通じて情報収集をすることも多いかと思います。


SNSは、リアルタイム性があり、画像や動画の活用が簡単に行えるので、リッチな情報を手軽に発信することができます



受け手側(見込み顧客)にとっても有益なツールの1つですね。


一方で、SNSはあっという間に次の情報、次の情報…と進んでしまいますし、これらの中から必要なものをすぐに見つけることも難しい場合も多いでしょう。


対して、Webサイトは、情報のカテゴリごとに表示を分けたり、これらを階層構造にすることなどができるため、なんだかんだ言ってWebサイトで調べた方が早い、というケースはいまもなおよくあることでしょう。


初めての店舗や施設で困ったら、とりあえず「受付」に行ってみようという感覚に近いのではないでしょうか?


【公式】野球に学べ?:「打席数」×「打率」

それでは、Webサイトで新規顧客を獲得していくためにはどのような取り組みが必要でしょうか?


冒頭に述べたように、「打席数」×「打率」に分けて考えていくことが重要です。


Webサイトにおける「打席数」とは?

お客様が何らかの課題や悩み、ニーズに基づいてWebサイトを検索し、結果として自社のWebサイトが検索結果として表示されることが新規の見込み顧客を獲得する最初のステップです。


そこから、さらに自社のWebサイトをクリックしてくれる割合(クリック率)が高まることで、実際に自社のWebサイトアクセス数が増えていきます。


この状態が、お客様との接点数、すなわち「打席数」を増やした状態になります。


ポイント

Webサイトによる新規顧客獲得における「打席数」= 検索表示回数 × クリック率



Webサイトにおける「打率」とは?

「打席数」を増やせたら、次は「打率」です。


具体的には「コンバージョン率」を増やすことを目指します。


コンバージョン」とは、Webサイトにアクセスしたお客様のうち、個人情報の登録を伴いながら次のアクションへとステップし、企業にとっての見込み客となったものを指します。


企業は自社のWebサイトにアクセスしたお客様の個人情報を入手することにより、以降、お客様に対して継続的な情報提供やコンタクト(メールや電話など)を進めることが可能になります。


そして、「コンバージョン率」とは、Webサイトにアクセスしたお客様のうち、コンバージョンに至った割合を指します。


ポイント

コンバージョン率とは、Webサイトにアクセスしたお客様のうち、個人情報の登録を伴いながら次のアクションへとステップし、企業にとっての見込み客となったものの割合のこと




ここまでを図にすると以下のようになります。 

Webサイトによる新規顧客獲得の目標イメージ



「打席数」と「打率」をアップする取り組みの具体例

それでは、「打席数」と「打率」を高めるうえで、どのような取り組みが必要でしょうか?


続けて解説していきます。

①「打席数」アップに向けた基本的な取り組み

自社のWebサイトに対する検索表示数が増え、さらにそこから実際のアクセスにつながるクリック数(率)が高まれば、結果的に新規の見込み顧客を獲得できるチャンス(顧客接点)が増えます。

ここで求められることとして「SEO(Search Engine Optimization:検索エンジン最適化。Googleなどの検索エンジンでの上位に表示させることで検索流入を増大させるための施策)」が挙げられます。


ググった時に、上位に表示される、という状態ですね。


このWebサイトのSEO対策は、大きく分けてコンテンツSEO」「テクニカルSEO」「外部対策が挙げられます。


SEO対策の種類



この中で、ターゲットとする顧客に対し、純粋に価値ある情報を提供していくものが「コンテンツSEO」です。



Webサイトにおける情報発信の質と量を高めていく、最も重要な対策となります。


潜在的なニーズを意識し、お困りごとやこれに対する解決策など、ターゲットとなる見込み顧客にとって役立つ情報を定期的に発信することで、Googleなどの検索エンジンが「役に立つ、良いサイトだ」と判断し、検索結果の上位へ表示してくれることを狙っていきます。


②「打率」アップに向けた基本的な取り組み

自社のWebサイトに訪問したユーザーのうち、次のアクション(資料請求や問い合わせ、予約など)につながる割合を高めていくことで、新規の見込み顧客獲得数を増やすことができます。


これについては3つの点をご説明いたします。


①絞り込んだ課題(「ロングテールキーワード」)の設定

自社のWebサイトを訪れたお客様が「これだ!」思うような情報発信をすることで、次のアクションへとつなげることができます。


そのためには、「ああ、知りたかったこと・悩んでいたことはまさにこれだ!」と共感いただけるようなより具体的ニーズの捕捉、さらにはこれに対する解決策や自社の提供価値をWebサイト上のコンテンツを通じてお伝えすることが重要です。

結果として、そのコンテンツはより絞り込まれたニーズを示すものとなるはずです。


この絞り込まれたニーズは、Webサイトの検索というアクションにおいて、例えば「自転車 子供乗せ レインカバー」などのように、複数のキーワードからなされるはずです。


これを「ロングテールキーワード」と言い、これを活用した「ロングテールSEO」に取り組むことがコンバージョン率を高めるために有効です。


例えば、「理容室」というキーワードは、「ビッグキーワード」であり検索数が非常に多い一方で、その中で上位表示させることは非常に困難です。


これに対し、
「ツーブロック ビジネスマン 自分でセットする方法」などと複数のキーワードを組み合わせて、より具体的な要望を網羅したコンテンツページを作成することで、ビッグキーワードに比べて検索ボリュームは減る一方で、競合を避けることにより上位表示が期待しやすくなります。


そして、ニーズがより強いために具体的なアクション(コンバージョン)を狙いやすくなります

ビッグキーワードとロングテールキーワード


「次のアクションはこのボタン」とはっきりと(CTAの明示)

次に、そもそものお話ですが、「次のアクション」を具体的に設定すること、またそれをWebサイト上で分かりやすく表すことが重要です。


例えば、「資料請求」だったり「無料トライアル」だったり、「会員限定おすすめ動画」だったり・・・。


これらをWebサイトのボタンから誘導すること、さらにそのボタンを画面上のファーストビュー(スクロールしなくても目に入る位置)に置くことなどが有効です。


このような、次のアクションを促すボタンやリンクのことを「CTA(Call to Action)」と言います。


案外、これが分かりにくいところにあるケースをよく見かけます



CTAを明確に分かりやすくしましょう。

アクションのハードルを下げる

新規顧客、見込み顧客は次のアクションを取ることに慎重です。


「思っていたのと違う」「面倒くさい展開になったら嫌だ」「ものすごい勢いで売り込まれるのではないか」ーーーこんな思いを抱えながらアクションをためらう訳です。


そのハードルを少し下げましょう。



業種にもよりますが、代表や従業員の人柄が伝わるようなコンテンツを掲載したり、簡単な資料のダウンロードができるようにしたり、いつでも視聴できるアーカイブ型の動画を用意したり


このような工夫で最初のハードルをクリアして、お客様のコンタクト先情報(メールアドレスなど)を獲得しながら「コンバージョン」できれば、見込み顧客を獲得できたと言えるでしょう。


【改めて結論】新規顧客を(少しでも)楽して獲得するための公式

いかがでしたでしょうか?


Webサイトは、私たちが寝ている間、遊んでいる間にも稼働する働き者です。


この大きな味方をうまく活用して、新規顧客獲得を少しでも楽して進めていきましょう。

Webサイトを通じた新規見込み顧客獲得数アップのための基本公式

新規見込み顧客獲得数=打席数」(≒「検索表示数」×「クリック率」)×「打率」(≒「コンバージョン率」)