バリュープロポジションとは? → 先輩が教えます。それは…




先輩さん

今日はマーケティングの基本ツールの一つ、「バリュープロポジションキャンバス」について話そうか。

後輩くん

はい、お願いします!名前は聞いたことがあるんですが、詳しくは知らないので教えてください。

先輩さん

バリュープロポジションキャンバス(Value Proposition Canvas)は、企業のビジネスモデルを構造的に表現するフレームワークである「ビジネスモデルキャンバス」の一部として開発されたツールで、お客様が抱える問題とその解決策を明確にするためのものなんだ。

目的は、お客様が本当に求めている価値を提供するために、自社の製品やサービスを最適化することにあるよ。

後輩くん

なるほど。具体的にどんな内容が含まれているんですか?

先輩さん

バリュープロポジションキャンバスは、主に2つのセクションから構成されている。まず「顧客セグメント(Customer Segment)」、次に「提供価値(Value Proposition)」だ。

それぞれについて詳しく説明するね。

後輩くん

はい、お願いします!

先輩さん

顧客セグメント」はさらにつぎのような3つの部分に分かれている。

顧客セグメント

1.顧客の実現したいこと: お客様が達成しようとしているタスクや目標、解決したい問題のこと。

2.顧客の悩み: お客様が直面している問題や不満、リスクなど。

3.顧客の喜び: お客様が得たい便益や期待する結果。


先輩さん

これらを具体的にリストアップすることで、顧客が何を求めているのかが明確になるんだ。

後輩くん

なるほど。お客様のニーズを深く理解することが大事なんですね。それで、「提供価値」の部分はどうなっていますか?

先輩さん

「提供価値」も次の3つの部分に分かれているよ。


提供価値

1.自社の製品・サービスの独自価値: 提供する具体的な製品やサービス。及びその他社にはない独自性

2.顧客の悩みを取り除くもの: お客様の痛みをどのように解消するか。

3.顧客の喜びを増大させるもの: お客様にどんな利益や価値を提供できるか。


先輩さん

このように、「顧客セグメント」で特定したニーズや問題に対して、「提供価値」で具体的な解決策を考えるんだ。

後輩くん

それぞれの部分を詳細に分析することで、より効果的なマーケティング戦略が立てられるんですね。

先輩さん

その通り。バリュープロポジションキャンバスを使うと、自社の製品やサービスが本当に顧客にとって価値のあるものかどうかを客観的に評価できる。また、競合他社との差別化ポイントも明確にできるんだ。

後輩くん

すごく役に立ちそうですね。でも、具体的にどんな手順で進めればいいんですか?

先輩さん

まず、チームでブレインストーミングを行い、顧客の実現したいこと、悩みや喜びをリストアップする。

次に、それに対応する自社の製品やサービス、顧客の悩みの解消方法や喜びの創出方法を考える。

そして、両者をマッチングさせて、どれが最も効果的かを見極めるんだよ。

後輩くん

なるほど。でも、顧客のニーズを具体的に知るためにはどうすればいいんですか?

先輩さん

いい質問だね。ここで「ペルソナ」が役立つんだ。ペルソナについては前にも話したよね?(マーケティングの達人になる!先輩が教える「ペルソナとは?」

おさらいすると、ペルソナは、典型的な顧客像を具体的に描写した架空のキャラクターで、年齢、職業、ライフスタイル、趣味、価値観など詳細なプロフィールを持っている。これを作成することで、実際の顧客がどんな人か、何を求めているかを明確にしやすくなるんだ。

後輩くん

ペルソナを作ることで、顧客の「実現したいこと」「悩み」「喜び」を具体的に考えやすくなるんですね。

先輩さん

その通り。ペルソナをもとに顧客セグメントを作成し、それに基づいて提供価値を構築すると、より具体的で効果的なマーケティング戦略が立てられる。これがバリュープロポジションキャンバスの大きなポイントだね。

ペルソナについては【ペルソナとは?】作る意味は?使い方は?具体的にはどうするの? に詳しく書かれているよ。

後輩くん

わかりました。でも、「ニーズ」についてもう少し詳しく教えてください。なんだかぼんやりとした言葉で・・・。

先輩さん

いい質問だね。顧客のニーズには「顕在的なニーズ」と「潜在的なニーズ」がある。

顕在的なニーズは、顧客自身が自覚している問題や欲求のことだ。

一方、潜在的なニーズは、顧客が自覚していないが、実際には存在する問題や欲求のことを指す。

後輩くん

なるほど。それで、バリュープロポジションキャンバスを使うときは、これらのニーズをどうやって捉えるんですか?

先輩さん

ペルソナを使うことで、顕在的なニーズは比較的捉えやすくなる。

しかし、潜在的なニーズを発見するには、より深い洞察が必要だ。実際に既に購入・利用された顧客に対するインタビューや観察、データ分析などを通じて、顧客が気づいていない問題や欲求を見つけ出すんだ。

問題は何か?その問題を生む原因は?さらにその原因はなぜ生まれるのか?と、何度も掘り下げていくことが本質的なニーズをとらえるためのカギだね。

後輩くん

つまり、顧客の顕在的なニーズだけでなく、潜在的なニーズも見つけ出し、それに対応する価値提案を考えることが大事なんですね。

・・・ちょっと図にしてみました!




先輩さん

すばらしいね!

さらに詳しい説明はバリュープロポジションキャンバスで「価値」を伝えよう! を参考にしてみてね。

後輩くん

ありがとうございます、先輩!早速取り組んでみます。